2015年9月24日木曜日

レモンの教え。

最近、ある小学校で食品に含まれるビタミンCの濃さを比べる実験授業をしました。
児童はビタミンCと言えばレモン、レモンと言えばビタミンCという観念が植え付けられてしまっているようで、この実験では、本当は身近なものでもレモンよりズーットビタミンCが濃いものがあることを知らせ、世の中に流布してることを鵜呑みにせずに、自分で調べ、正しい認識を獲得することの重要性を伝えます。
このテーマは当ブログでも過去に紹介した「お茶で嘘が暴露できる、ブラックマネー詐欺」(クリック可)と強い関連があります。

実験で調べるのは、レモン果汁、キウイ―果汁、黄パプリカ、赤パプリカ、普通のに飲むのと同じくらいの濃さの煎茶。 これらの内で、ビタミンCが一番濃いのは何でしょうか?一番薄いのは?
児童の実験結果の整理したものをご覧ください(クリック可)。

結果は;普通のに飲むのと同じくらいの濃さの煎茶>赤パプリカ>黄パプリカ>キウイ―果汁>レモン果汁
でした。この実験で、ビタミンCと言えばレモン、レモンと言えばビタミンCという刷り込まれた知識は打破され、レモンよりビタミンCが濃いものがある。ビタミンCって、黄色で酸っぱいという思いこみも打破されます。色も酸っぱさもビタミンCとは別のものに依っているのです。こういうことを実験で知ることも重要ですが、この実験で伝えたい一番大事なことは、世間で流布してる”知識”を鵜呑みにせず(「みんながそう言ってるから」ではなく)、本当かなと思って自分で調べる(自分でそう信じる根拠を自分でしっかりつかむ)ことの大切さでした。これは理科だけのことではなく、生きていくうえでとても大事なことですネ。

3 件のコメント :

QQ さんのコメント...

商業主義・営利主義に、はてな?と立ち止まって考えるのも
とても大事かと思います。

一方、 昔の人の知恵も捨てがたいと思います。

梅は三毒を絶つ 梅はその日の難逃れとか言われている
うめには、クエン酸、リンゴ酸が豊富に含まれていて、
クエン酸には解糖系抑制作用があり、炭水化物と同時に摂取すると、
グリコーゲンを効率的に蓄積することができ、疲労回復に役立つとか。
カルシウム吸収促進効果もあるそうです。

梅ジャコオムスビを巻く焼き海苔にはビタミンCがかなり多く
含まれているようで、昔の人は良い携帯食を考えたものだなぁ
と感心します。

権兵衛 さんのコメント...

クエン酸というのは重要なんでしょうね。
レモンの酸っぱさは実はクエン酸。
レモンが疲労回復に効くのはクエン酸の働きでしょうね。

ビタミンCは骨や血管形成、風邪などひかない身体づくり、
美白等に効くので、即効性の働きではないんですね。

役割をきちんと説明しないといけませんね。

焼きノリにビタミンCが沢山含まれているのには
驚きでした。

権兵衛 さんのコメント...

もう一つ答えてなかった。
昔の人の知恵にすばらしいものがある。そうですね。
実体験から得た知恵だと思います。
それを受け入れるとしても、QQさんのように
受け入れる理由をきちんと持って受け入れたいもの
だと思います。
古文の現代語訳のように、昔の知恵を今の知識で
理解する。子どもたちにもそう伝えたいですね。