2021年9月28日火曜日

ブレークスルー

最近メディアでブレークスルー感染なる言葉が流行っていて、すごく戸惑っている。
ブレークスルーって元の英語で書けば、breakthrough、何か困難や障害を突破する事を表す。 例えば研究開発において、前に進めなくなった状況に、新たな局面を見いだせたようなときに 使うものと思っていた。
ブレークスルー感染とは何ぞやと思って、ネットで調べたら、新型コロナウイルス感染症においては、ワクチンを接種して、十分な免疫が獲得できた後でも感染する可能性があり、それを「ブレークスルー感染」と呼ぶのだそうである。
そうか、私はbreakthroughの主語を人間にのみ固定していたが、医学の世界では、ウイルスさんを主語に考えたのか。ウイルスがワクチンの防御網を打ち破って人を感染させることを指して言ってるのか!でもなー、breakthroughって画期性を感じる肯定的な感覚で使いたいのに、ウイルスさんに軍配をあげるようなことに使ってほしくないなー。
我々の仲間内で、この頃やたらにカタカナ語が横行してる事への違和感が語られた。昔、戦時中に、敵性語なる言葉で、敵の言葉、英語を用いることが憚られた時期があったが、そんな感覚で言った話ではない。なぜ、「ワクチン接種済み感染」てな直截な表現が出来ないのだろうか。確かに 「ワクチン接種済み感染」とか「ワクチン接種後感染」と言っても、ウイルスに軍配を上げる言葉だけど、医学界はブレークスルー感染なる言葉で誤魔化したいのかなーなんてかんぐりたくなる。
後記)英語でもbreakthrough infectionと立派に使われているらしいですね。「打ち抜き感染」と訳してるそうです。

2021年9月5日日曜日

内橋克人さんのご冥福を祈る

 あの訥々とした語り口をしばらく聞かないなと思っていたら、昨日9月4日の新聞に内橋克人さんが亡くなられたとの報道があった。亡くなられたのは2021年9月1日とのこと。
 派手さはないが、市民の視線からみた、辛口の経済社会時評が氏の中心課題だった。活動してきた分野は全く違うので経済社会分野の内容には触れないが、基本的な物の考え方に共感することが多かった。
 少なくも私よりは先輩の御年齢だったはずと思って記事をよんだら、89歳でいらしたとのこと。その御年齢ならこれは受け留めねばなるまい。
 氏の一貫した生き方を心に深くとどめたことだった。