2011年6月22日水曜日

京への期待、ソフト開発者への期待

前首相が首相時代にのり出して、事業仕分けで凍結された予算を復活させた、ス-パ-コンピュ-タ-京、来年完成予定だが、今年の段階でダントツの世界1位の処理速度を実現して見せた。日本の技術力に改めて大きな喜びを感じた。でもまだ手放しで喜んでいるわけにはいかない、これからはこのマシンをどのように活かすか、もう既に十分な準備をしていることであろうが、各研究分野における科学者、ソフトウェアー開発者の力が試される。世界にはすぐに、京を追い抜くぞという開発が進捗しているのだ。

計算機の処理速度には当然、電流の速さもかかわる。しかしこの速さはどんなに抵抗の小さい物質を作っても、光の速さを越えることはあり得ない。一つの処理機には自ずから限界がある。限界を越える手法として沢山の処理機を並べて同時に処理する並列処理が考えられ、今のスパコンはどれも基本的にはこの手法をとる。

もし、一つの処理機で与えられた分担処理が他の処理機の計算処理と無関係に処理しきれるなら、タダ沢山並べればいいじゃないという事になるが、一般にはそんなわけにはいかない。一つの大きな計算問題、例えば気象の問題で、地域を切り取って一つ一つの処理機になすべき計算処理を分担させるとしても、一つの地域に関して、他の地域の情報なしには正しい計算は出来ない。処理機の間のコミュニ‐ケーションの速度とコミュニケーションをとるべきタイミング(例えばある処理機の計算が終わり、データを受け渡すまでに、他の処理機の待ち時間の長さが著しいと、並列処理の効率はひどく落ちてしまう)が大問題となる。処理機の間のコミュに‐ケーションの速度は計算機開発の側にゆだねられるが、後者は如何に効率良い算法(アルゴリズム)を用いて、処理プログラムを書くかということに尽きる。

計算機科学の各分野(気象だけでない、宇宙、天文、医薬品なども含むいろんな物質科学、生命科学、等々多岐にわたる)に従事する研究者のアルゴリズムに関する研鑽、開発力に大いに期待したい。処理プログラムが出来れば、それをどんな問題を対象とするかを計画して、計算を実行する人たちの存在も勿論重要になる。しかし、よりよい成果がどれだけ早く取り出せるか、言わば井戸を掘る人達(処理プログラムを書く研究者、ソフト開発者)の発想力にかかっている。

3,4年前になってしまうが、ある分野の、ある方法に関して、計算処理理論を作り、実際に並列処理プログラムを書き、その問題については世界最速のプログラムを書いた者として、若い人たちの活躍に期待し、胸躍らせている。

2 件のコメント :

QQ さんのコメント...

久々に明るく嬉しいニュースで、
難しいことは分らない私も思わず
VサインをTVに向かって出しました。
(*^_^*)v

権兵衛 さんのコメント...

本当に!
日本のスパコン開発のあり方には、問題もあるらしく、問題点を指摘もされているようですが、それでもこのような快挙をしてくれました。アメリカが直ぐにもひっくり返すぞ!って言ってますが、どうなるか。
それまでにアウトプットとして、素晴らしい成果をどんどん出さないと。