2016年1月24日日曜日

榎本喜八の野球の殿堂入り

今朝、ニュースで榎本喜八氏が野球の殿堂にエキスパート部門で選出されたと知った。大ファンとしては、エッ入ってなかったの?何で今ごろ?という気持ちがまず浮かんだが、でも入ったというなら本当に良かったと心から思いもした。

榎本が逝去した時、当ブログに榎本への下手な賛辞を述べた。それからほぼ4年、素晴らしい実力のわりに、認められてなかった彼に光が当たった。

榎本が新人王を取った時から、田宮、榎本、山内、葛城なんて強打者を揃えた(ミサイル打線)オリオンズ全盛のころまで、よく試合を見た。その中でも、榎本の打球の鋭さは群を抜いていた。 その打者としての素晴らしさは、その道で秀でた方たち、打者の立場から川上が「打撃の神様というなら自分より榎本の方が相応しい」、投手としての稲生、杉浦、や捕手としての野村が「最も対戦したくない打者」と評している事から見て取れる。
ただ、求道者のような生き方が、プロスポーツの世界では一般受けしなかったのではないかと思う。私個人は選ばれるのは遅すぎたと感じるが、勝手な想像でしかないが、榎本はそういう栄誉にはあまりこだわりのない人だったのではないか、と思う。

榎本が選出された、エキスパート部門というのは、既に野球殿堂入りした競技者および競技者表彰の幹事が選ぶということだ。榎本は引退して21年目、エキスパート部門で選ばれる資格を得た。その途端に選ばれたという事を知って、やっぱり見るべき人たちはちゃんと選ぶべき人を知っていたのだなと、ほのぼのした気持ちになった。彼の打撃フォーム、打球、そして求道者のような生き方に強い求心力を感じる者の一人として、彼を選んでくれた人たちに深く感謝する。
本日の朝日新聞紙上で、榎本と王を育てた荒川博氏の言が紹介されていた。曰く「王の練習熱心は有名だが、榎本は王の倍練習した。王が榎本ぐらい練習していれば1000本塁打を打っていただろう。榎本に王のおおらかさがあれば、4千安打を打っていただろう」求道者としての厳しさとおおらかさ、二つを兼備するのは難しいのかな。

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