昨日9月20日に昼から東銀座は東劇で、歌劇エフゲニ-・オネ-ギンを見てきた。ロシアのプーシキン作の「エフゲニー・オネーギン」をもとに、チャイコフスキーがオペラ化したもので、まだ見たことがなかった。大いに期待して行った。奏でられる音楽に大いに感激したが、筋立てのつまらなさにちょっとがっかり。帰ってきて調べたら、スコア―を手に入れたツルゲーネフがトルストイに手紙を書き、音楽への賞賛と台本への落胆を述べたとか。そんなに間違った感想じゃないんだと思った。
しかし、見たかったのは歌劇、音楽が素晴らしけりゃ大いに満足。出来の素晴らしさは、演奏家の陣容からも推し量られようというもの。
ヴァレリー・ゲルギエフ(指揮)
ルネ・フレミング(タチア―ナ、ソプラノ)
エレーナ・ザレンバ(オリガ、アルト)
ラモン・バルガス(レンスキー、テノール)
ディミトリ―・ホロストフスキー(オネ―ギン、バリトン)
2006年ー2007年のシーズンにMET(ニューヨーク)で演奏されたもので、驚くのはロシア語で歌われていること。フレミングの語学力は定評があり、チェコ語で歌ったドボルザーク作曲の”月に向かいて歌う”が激賞されていたことを思い出すが、ここでも新聞紙上だけでなく、ホロストフスキーからも激賞されていた。
ラーリン家の次女のオリガの許嫁レンスキーが友人のオネ-ギンをラ―リン家につれて来るところから物語は展開する。タチア―ナがオネ-ギンに一目惚れして、手紙を書く。(タチア―ナが16歳という設定がフレミングにはチト気の毒。)1幕 レターシーン
1幕の終わり、手紙をもらったオネ-ギン、タチアーナに会いに来るが、
=>自分は家庭生活に向かない、そしてタチアーナのことも妹のようにしか思えない、と告げ、自分を律することを学ぶべきだ、と諭す。
ここで、インターミッション。舞台から戻ってきたフレミングとホロストフスキーがインタビューを受けるが、フレミングはなかなか涙が止まらない。インタビュアーがハンカチを渡すほど。没入してたのですね。
2幕に入って、タチア―ナの守護聖人の祝日に開かれたパーティーにレンスキーはオネ-ギンをつれてくるが、オネ-ギンはつまらなく、楽しまない。腹いせにレンスキーをからかおうとオリガをダンスに誘う。そしてついエスカレートして、さらに重要な踊りまで、オリガと踊ろうとして、レンスキーとオネ-ギンは衝突、決闘をすることになる。
決闘の場で、オネ-ギンを待つ間にレンスキーが、人生とオリガへの未練を吐露して歌う、=>アリア『わが青春の輝ける日々よ』。バルガスの歌唱が素晴らしい。これでずんぐりむっくりでなければ・・・・。
レンスキーは決闘に敗れて死に、オネ-ギンは国外放浪の旅に。
戻ってきたオネ-ギンが貴族の舞踏会に。=>ポロネーズ、これは『エフゲニー・オネーギンのポロネーズ』として単独で上演されることもある。オネ-ギンは26歳になっている。
そこで、貴族の館の夫人となっているタチア―ナと再会。その気品ある姿にオネ-ギンは降参。手紙を書くが=>最終的に拒絶されて終わる。
この辺の役どころとなると、気品あふれるフレミングの姿は圧巻で、美しい。
タイトル・ロールのホロストフスキーも素晴らしかった。
ゲルギエフ率いるMETのオーケストラと優れた歌手陣が素晴らしいチャイコフスキーの音楽を奏でてくれた3時間20分でした。
3 件のコメント :
先程書いたコメントが反映されていないようなので、もう一度貼り付けます。同じものが出たら、ご容赦下さいませ。m(__)m
大好きなフレミングとホロストフスキーの出演する「エフゲニー・オネーギン」見たかったです。この日はボラの日で外せませんでした。権兵衛さんも書かれたように、最後の場面は、フレミングの気品溢れる美しさが素晴らしいですね。素敵な場面を沢山見せて頂いて、行けなくても雰囲気は充分感じる事ができました。有難うございます。
昨日は台風で、フローレスの「清教徒」に行けませんでした。明日の最終日に、「トゥーランドット」と「カルメン」を見て来ます。
フレミングとホロストフスキーが共演する「エフゲニー・オネーギン」は是非見たかったですが、ボラと重なって断念しました。
16歳のフレミングも可愛かったけれど、最後の場面は、圧巻ですね。二人とも素晴らしいです。権兵衛さんのお蔭で、「エフゲニー・オネーギン」の歌や情景の一部を堪能させて頂きました。
有難うございました。
公爵(タチア―ナの夫)を演じたバス歌手もなかなかで、達者な人たちを集めていたと思います。
ゲルギエフによる練習風景も映し出されましたが、人柄が見えるようでとてもよかったです。
ホロストフスキー、これからが楽しみですね。
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