2011年2月13日日曜日

バーバラ・ボニ-(Barbara Bonney)先生

現在NHKの教育TVで毎週金曜日午後10時25分から25分間、バーバラ・ボニ-によるオペラレッスンというシリーズが放送されている。かなりの力を付けている若手歌手が更に伸びるよう指導するクラス。名だたる歌手が行うMaster Classの一つだろう。You Tubeにもいろんな歌手のマスタークラスが掲載されている。
放送によるボニ-先生の授業はいろんな工夫をしているのが見てとれて大変参考になるし、面白い。

もともとはどんな歌手だったんだろうとyoutubeで検索してみたらやっぱり引っかかった。アメリカ出身の方。
まずは
1)シューベルトのアベマリア:ヨーロッパのいろんな教会の写真とともにとても綺麗な声が流れる(クリック可です)
私は後輩に当たるはずのR.Flemingの方を支持するが、これもまた素晴らしい演奏と思う。

2)モーツアルトの曲を2曲。
Sehnsucht nach dem Frühlingこれも美しい演奏です訳詞では”うれしや5月草木は萌え”で始まる(クリック可です)よくご存知の方が多いでしょう。
世界的にも名声高いバリトンThomas Hampsonと歌劇ドン・ジョバンニの中の二重唱(クリック可です)

3)そして、マスター・クラス。このビデオの前にもうひとつ同じバリトン歌手による授業の演奏があって、ボニ-先生きっと彼は緊張しすぎと思ったのか、この版ではいきなり女性学生と抱擁させたまま歌わせます。緊張をほぐす狙いがあったようです。音楽的にはこれによって緊張がほぐれたのでしょうか、とても柔らかく豊かな歌唱になりました。(クリック可です)途中でボニ-先生が、ほらねっと、いたずらっぽく笑って振り返るシーンが印象的です。腕を相手にゆだねることで、不要な力が抜けたのでしょうか。ビデオの下に以下のようなコメントがありました。
Hi, I was trying to get this singer to relax, and be more expressive. This happens when we fall into the arms of another. Nothing else meant by this. Most singers tend to be very tense. This exercise released his voice immensely. Don't read more into this than was intended. GaryMoseley
歌手達はがしばしば、ピアノにもたれたり、ピアノに腕をのせて歌ったり、腕を動かしたりすることで余分な力がかかったりしないようにしているらしいです。私自身も”歌唱の力学”があるらしいと実感しているので、とても参考になりました。デモデモ、Don't read more into this than was intended.とは言ってるけど。却ってぎこちなくなっちゃいそう(笑)。とてもまねのできない世界です。

2 件のコメント :

木の実 さんのコメント...

オペラレッスン、楽しみに見ています。
バーバラ先生の歌、沢山聴かせて頂きました。どれも素晴らしいです。ユーチューブで、昔歌われた歌をこうして聴けるのは、本当に有難い事ですね。心地よく何度も聴かせて頂きました。

権兵衛 さんのコメント...

レッスンではボ二-さんの温かい人柄が生徒に働きかけるいろんな試みの中ににじみ出ていて嬉しくなります。
ここに載せたマスタークラスでも見終わって、温かいものを感じ、ビデオの中の聴衆とともに手を叩いていました。
男声歌手の相手役を務めた女子学生は感激して涙していたのではないでしょうか。男声歌手も感謝して抱きしめてました。美しいものを見たような感じです。ボニ-さんだから出来た場面でしょう。