2011年2月28日月曜日

一日半の東京見物:東京五景+映画

東京五景という名の観光バスに乗るから付き合えとわがつれあいが言う。28日の早朝からバスに乗るので前日から竹橋のホテルに泊まる。面どっこいなーと思いながら付き合うことにした。パソコン持参御法度。
27日の午後はホテル直行と思いきや、有楽町まで出て、日比谷で映画を見るという。
有楽町駅を出て、ちょっと回り道してやってきたのが泰明小学校、世相を受けて運動場は金網を張りめぐらしてありました。建物は随分古いが頑丈そうにも見える。大丈夫かどうか。
久しぶりに映画を見ました。”英国王のスピーチ”。兄エドワード8世が離婚歴があるシンプソン夫人との恋に生き、退位したのちその跡を継いだジョージ6世(今の英女王エリザベス2世の父)に関する物語。ここまで描いちゃっていいかと思うほど笑いを誘うが、終りに近づくに従い、篤く迫るものがあり気が付いたらマスクの下の頬が濡れていた。とてもいい映画、お勧め。映画の後、有楽町のガード下のドイツ料理店で、軽くドイツビール&料理を楽しんで後、ホテルへ。
翌朝は、打って変わって雨天で寒い。丸ビルの角から出発。先ずは国会議事堂の見学。小学校の時、傍聴席から見た経験があったが(吉田内閣時代、副総理席にいた緒方竹虎のことは不思議に覚えてる。)本会議は午後からとのことだったが、予算委員会が開かれていた。廊下で片山総務相とすれ違った。右の写真のように傾きかけた国会の中を見てきました。どこぞのテレビ番組で”建物は立派”と言っていたが。確かに立派な建物。立派な人たちを送りこまねば!
次は大崎で昼食。ここも恵比寿みたいな場所を目指したらしいが、バブルがはじけて、とん挫した所らしい。昼食後、築地へ。
市場は終わっていたが、そばのマーケットで買い物。その前に築地の本願寺に寄ってみた。インド風の建物とのこと。マーケットでは豆、干物や、揚げ物や何やかんや買ってましたなー。店のおやじさん心得たもので、はい運び屋さん、と私に豆の入ったレジ袋を渡してくれましたねー。”築地”の名の由来が面白い。江戸時代に西本願寺の別院を作ろうとして、許された”土地”がこの地。まだ海ん中。門徒が頑張って埋め立ててお寺を立てた。そこから築地と呼ばれるようになったとのこと。
その次はスカイツリーの直ぐそばへ!今日600mの高さに到達するとの案内だったが、我々が行ったときには594mの表示がありました。ひどい天候のため先端は見えたり見えなくなったり。この写真には雲がかかったスカイツリーです。この塔の高さ、目指すは634m。その心は”武蔵”の国の塔。
再びバスに乗ると、霙が降り始め、4℃とか。バスは羽田空港国際線ターミナルへ。規模は小さく、これで成田を補えるの?の感あり。江戸小路とかなずけたお土産物屋も新味はなかった。ただ抹茶のアイスクリームはなかなか良い味だった。
夕方遅く丸ビルに帰ってきておしまい。なんだか時間の無駄とも思えたが、案外忙しい日々をすっかり忘れて時間を過ごせたので、いい息抜きが出来ました。たまにはいいものです。

2011年2月23日水曜日

バリトン プラシド ドミンゴ

2月20日からNHKでメトロポリタンオペラが連日放映されている。昨夜は3大テノールの一人ともてはやされたプラシド ドミンゴ(Placido Domingo)が歌劇”シモン ボッカネグラ”の中でバリトン歌手が担うタイトルロールとして登場した。
もともとバリトンだったのがテノールに変更、トップテノールとして長い間世界中に君臨していたが、3大テノールとして肩を組んで、世界を回るころから退潮の兆しがあったように思う。指揮者としても活躍してきたし、もう引退だろうと思っていたら、バリトンに挑戦と聞いて素晴らしい!と思っていた。

だが、今年の正月にやはりバリトンがタイトルロールを担う”リゴレット”にリゴレットとして登場したのを見たが、宮廷の中で、背中に大きなこぶを持つ道化役の男の屈折した様子を演じるには、声も軽かったし、演技にも深みが感じられなかった。ダメだこりゃ!といつの間にかうたたねをしてしまった。
だけどもう一度見てみようと、夕べは10時から1時半ごろまで、最後まで見てしまった。素晴らしかった。声も演技も。
それで、ちょっとYouTubeを調べてみたが、シモンボッカネグラのビデオはなかった。コンサートでのバリトンとしてソプラノとの二重唱が見つかった。

そこで、先ずはテノールとしての歌唱を二つ挙げて見ることにしたい。
1)3大テノールコンサートで、スペインのグラナダの美しさを歌ったGranadaの歌唱(1994年)(クリック可です)まだまだ若さが漂ってました。
メキシコの歌マラゲーニャも良いですよ。

2)トリノの冬季オリンピックでは、開会式にパバロッティーが歌い、そのメロディーをフィギュア―スケートのフリーの演技の曲に荒川静が用いて金メダルを取った歌劇”ツーランドット”の誰も寝てはならぬ(Nessun Dorma)(クリック可です)。 バリトンもやれるだけあって、こういう重めの声のテノール歌手。

3)引退前に、バリトンをやりたかったそうで、そう宣言してすぐの2009年に、歌劇”イル・トラバト-レ”の中で歌われるソプラノとバリトンの二重唱をあるコンサートで歌った。ソプラノSondra RadvanovksyとPlacido Domingo(クリック可です) これも素晴らしいバリトンぶりです。

スペイン生まれ、メキシコ育ち。一流のテノール歌手、バリトンもこなす、そしてオーケストラの指揮。ドミンゴは多彩な人です。

ありました。ドミンゴのシモンボッカネグラの舞台。フレミングがインタビューしてます。(クリック可)12フィルム中の2番目ですが、ここから関連を探していけるでしょう。

2011年2月13日日曜日

バーバラ・ボニ-(Barbara Bonney)先生

現在NHKの教育TVで毎週金曜日午後10時25分から25分間、バーバラ・ボニ-によるオペラレッスンというシリーズが放送されている。かなりの力を付けている若手歌手が更に伸びるよう指導するクラス。名だたる歌手が行うMaster Classの一つだろう。You Tubeにもいろんな歌手のマスタークラスが掲載されている。
放送によるボニ-先生の授業はいろんな工夫をしているのが見てとれて大変参考になるし、面白い。

もともとはどんな歌手だったんだろうとyoutubeで検索してみたらやっぱり引っかかった。アメリカ出身の方。
まずは
1)シューベルトのアベマリア:ヨーロッパのいろんな教会の写真とともにとても綺麗な声が流れる(クリック可です)
私は後輩に当たるはずのR.Flemingの方を支持するが、これもまた素晴らしい演奏と思う。

2)モーツアルトの曲を2曲。
Sehnsucht nach dem Frühlingこれも美しい演奏です訳詞では”うれしや5月草木は萌え”で始まる(クリック可です)よくご存知の方が多いでしょう。
世界的にも名声高いバリトンThomas Hampsonと歌劇ドン・ジョバンニの中の二重唱(クリック可です)

3)そして、マスター・クラス。このビデオの前にもうひとつ同じバリトン歌手による授業の演奏があって、ボニ-先生きっと彼は緊張しすぎと思ったのか、この版ではいきなり女性学生と抱擁させたまま歌わせます。緊張をほぐす狙いがあったようです。音楽的にはこれによって緊張がほぐれたのでしょうか、とても柔らかく豊かな歌唱になりました。(クリック可です)途中でボニ-先生が、ほらねっと、いたずらっぽく笑って振り返るシーンが印象的です。腕を相手にゆだねることで、不要な力が抜けたのでしょうか。ビデオの下に以下のようなコメントがありました。
Hi, I was trying to get this singer to relax, and be more expressive. This happens when we fall into the arms of another. Nothing else meant by this. Most singers tend to be very tense. This exercise released his voice immensely. Don't read more into this than was intended. GaryMoseley
歌手達はがしばしば、ピアノにもたれたり、ピアノに腕をのせて歌ったり、腕を動かしたりすることで余分な力がかかったりしないようにしているらしいです。私自身も”歌唱の力学”があるらしいと実感しているので、とても参考になりました。デモデモ、Don't read more into this than was intended.とは言ってるけど。却ってぎこちなくなっちゃいそう(笑)。とてもまねのできない世界です。

2011年2月3日木曜日

久しぶりの展覧会はしご;平山郁夫&ダ・ビンチ

昔のオーソレ・ミオ(今の怖れ・ミオ)と仏教伝来の道‐平山郁夫と文化財保護‐(上野国立博物館平成館)と特別展ダ・ビンチ(日比谷公園特設会場)をはしごした。そぞろ歩きで展示物を見るのをはしごするのは、しかも全くタイプの違う展示物、体も頭もぼちぼちつらいかな―というかんじだったが。以下の写真クリックすると大きくなります。
 平山郁夫さんの展覧会はご本人が大きなエネルギーを費やされた仏教伝来の道筋に於ける文化財の保護活動によって、集まったもの、関連物などの展示があり、仏教という精神が東に伝わる間に、各地域の文化が投影されて出てくる文物のありようが大変興味深く面白かった。最後に薬師寺に収めらた画伯の大唐西域壁画の実物の展示があった。薬師寺門外不出のものを、今回の機会を平山郁夫一周忌ととらえての出品とか。兎に角圧巻だった。
タリバーンによって破壊されたバーミヤンの大仏を再建しようとする考えに対して、21世紀の初頭において行われた愚かしい文化の破壊の象徴として残すべく、再建に反対の立場を明確にされたフィルム中の姿には感動を覚えた。
ダ・ビンチの展示は~モナ・リザ25の秘密~と名打って、その絵の赤外線写真などでの解析結果を展示しているが、それよりも感激したのは、ダ・ビンチのノートに基ずいて作られた、例のヘリコプター、自転車など機械の数々。
以前にダ・ビンチ展で、滑車など力学研究の過程が見える展覧会を見たことがあったが、今回は回転運動の伝達機構の研究ノートから作りだしたものが中心。500年前に歯車、ベアリングを考えていたのですね~。エンジニアーと言う観点でみると、真に生まれるのが早すぎた人だったとつくづく思う。
どちらも、お勧めです。