2010年12月9日木曜日

今年最後の出前授業

12月7日と8日に今年最後の協働事業―出前授業を向陽小学校で行いました。「Y字振り子でリサージュ曲線を描こう」ということが主テーマです。でも授業時間の1/3弱を単振子の復習に充て、知っている事、知りたい事を8つのグル―プ毎にまとめて発表させます。基本的な事実は実験をやって知っていましたが、振り子の振幅の減衰に言及してなぜ振幅が小さくなっていくの?とか、なぜ周期が振り子の長さに依存するの?なぜ周期はおもりの質量には(彼らは重さと表現しています)よらないの?と小学生の教科書には出てないことが質問として出てきました。振幅の減衰については、床の上を滑ろうとしてもうまくいかなくても氷の上ではどう?と逆質問して摩擦を意識させて、空気抵抗に触れました。走ったり、自動車の窓からちょっと手を出すと感じる、風を切る感じに触れて見ましたが、振幅の減衰の理由は分かったようでした。即座に真空だったら?無重力だったら?と質問が出てきました。
周期と振り子の長さとの関係が何故とか、おもりの質量に依らない理由は運動方程式にまで行かないと分からないので、高校で学ぶまでの宿題としましたが、もしかすると、難しくってもいいから、振り子の運動方程式まで落としたものを示して、方程式が振り子の長さには依るが、質量には依らないことを示し、これを解くのは高校に行ってからとした方が、余韻が残って良かったかなと考えています。
Y字振り子は用紙にスプレーのりをまいた上に漏斗状の器具から砂(ペットショップで売っている)をまいて描かせるのですが、最初に砂は撒かずにY字振り子だけを動かしてその動きを観察させ、下に描くであろう模様を予測させ、各グループの代表にそれを黒板に描かせました。そして、Y字振り子の振り子部分の長さ2か所を測定して、いざ砂を入れて実際の実験を行い、予想の検証します。どんなとこが予想と違ってるか、当ってるかなど、図形を大型テレビに映して議論しました。そのあと子供たちがそれぞれ一枚づつ実験をやって、まとめをしましたが、単振子の知識を生かして、砂の濃いところ、薄いところが出来るわけを述べる子がいたり、Y字の形を変えると図形が変わったことへの驚きを述べる子がいたり、なぜY字にすると、面白い図形が描けるのか?といった質問が出たり、好奇心はとても旺盛です。
常日頃思っているように、理科離れなんて人ごとのように言うのは間違いで、子どもたちは潜在的にはとても好奇心にあふれています。子どもたちの好奇心は引き出しかた次第でどんどん広がる豊かさを持っています。これは理科に限らないでしょう。でも一人の先生が全ての科目を担当すると言うのはどんなものでしょう。先生にだって得意不得意はあるはずです。自然資源の乏しい我が国は人をもって資源とするよりほかにないのです。もっともっと適切な有為の人たちを沢山教員として雇うべきです。
娘の子どもが通う小学校には企業で働いていたが、教育への意欲を捨てられず、学校現場にきた人が何人かおられるが、話していて歯ごたえを感じる方が多いとのことです。是非そんな方々も発掘してほしいものです。

追伸;我々のY字振り子:クリアファイルを切って漏斗を作り、先端近くに錘になる金属を付け(我々の場合は大きなナット)、上の方には凧糸を付け、あとはペットショップでさらさらこまかい砂を買ってくれば直ぐに実験出来ます。色画用紙とスプレーのりがあるといいですね。写真はお仲間のTさんからもらいました。

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