高校同級生だった女房と懐かしい先輩の噺を聞きに行った。ウイークデイは夜の部でもがらんとしてることが多いと言うのに、昨夜は周りの廊下に立ち見が並ぶほどの盛況。お目当ては勿論彼である。
1年生の秋に、私立の高校からある都立の高校に転入学した。校舎はおんぼろの旧近衛連隊の兵舎跡、屋上とはただ単に屋根が吹っ飛んだ屋根裏部屋だったような。それでも昼休みとなるとフォークダンスに興じる輪が出来る。中学と高校1年の夏休みまで男子校だった私にはなかなかなじめず、見てるだけだった。
その輪に交わらず、いつも一人竹刀を振って汗を流してたのが、落研の総帥の彼だった。2年上である。
転入学して間もなく文化祭があった。彼、青山亭無学の出しものは”味噌蔵”、忘れようたって忘れない、高校生離れした噺っぷり。ちょっと違ってた。
その彼、小三治の昨夜の出しものは”あくび指南”。勿論当時の雰囲気とはまるで違う、風格を醸しての噺だった。お茶をすすりながら、「そういうところなんですな」っていう一言から始まる、次に何を言うのかと、一言で引き付けちゃう。仲間の噺をけなすようで、実は褒めてる。前置きがちっとも長いと思わなかった。
あくび指南は言及する必要もあるまい。彼の前にも楽しい出しものが並んでいたが、彼がすべてだったような印象を持って帰ってきた。小田急が混んでて町田まで座れなかったが、ちっとも苦にならない、若やいだ気持ちで帰ってきた。
5 件のコメント :
新宿末広亭は昔は良く行きました。落語よりは演芸を見にです。小三治さんも、もうそんな歳になりましたかぁ~(笑)。何時までも昔のイメージですからチットも年を感じさせませんです。
中さん
小三治の前の奇術は鮮やかでしたよー。
小三治師も古希なんですね~。Wさんと同じ。
末広亭で噺を聞きながら青春時代を思い出し、良い日でしたね。
良い先輩がいて嬉しい事ですね~。
落語はテレビではよく見ますが、プロの落語を直接演芸場で見たことはありません、やはり直接見るといいでしょうね、小三治師さん古希なんですか、私より二つ若いのですね。
菊池さん
気分がほぐれ、なんともいい心持でけーってきやした。
おがちゃん
わたしも、本格的な寄席では初めてでした。
ナカナカいいものですよ
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