2015年12月10日木曜日

かけた情、受けた恩

昨日9日の朝日新聞”ひと”欄に、92才になるお年寄りが取り上げられていた。
先の戦争でビルマ(現ミヤンマー)に従軍し、生き残り、帰国。ゼロから始めて、懸命に働いて一応の財を成したのち、ビルマに慰霊に出かける。大変な覚悟だったろう、食料、家畜を徴発し、田畑を踏み荒らした日本軍の生き残りとして行ったのだから。
しかし行く先々で温かく迎えられたという。その方は感銘を受けたのでろう、それ以来、私財を投げうって、「ビルマ奨学会」を作り、ミヤンマーから日本へ来た留学生や現地の若者の支援をし続けているとのことである。一個人としてこのようなことをすること自体、大変なことだが、紹介されたその方の言葉が心に残る。
支援を受けた若者たちの反応は人それぞれだったらしいが、その言葉は「かけた情は水に流して、受けた恩は心に刻む」。私が若い時に受けた言葉を思い出しながら読んだ。私が思い出した言葉は、大変世話になった方にお礼の気持ちを伝えたら「そんなに価値を認めてくれるなら、僕のことはいいから、今度は君が他の方にしてあげてほしい。」40年ぐらい前に聞いた言葉だが忘れ得ない。未だに受けた恩程の事は出来てないのだが。

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