浅田真央選手の結果を見て、人の心のありようが出来不出来に、如何に大きく影響するかということを痛感させられた。往年の名選手カタリ―ナ・ビットが浅田選手のSP演技を放送で解説していて、転倒を見てしばし絶句、Maoは多くのものを背負い込み過ぎたと述べたとのこと。羽生選手が先に金を取ったことも効いただろうなーと思う。
最後のフリーについてはもう何も言えない。試合の前後の浅田選手の心中は想像を絶する。メダルを持ち帰れなかったのは残念と言ったが、この人の追い求めたものを一つに絞るなら、メダルなんて物ではなかっただろう。試合後のすがすがしい顔をみて、求道者を思った。
さて、日本人に関する報道が一杯なので、他国の人にちょっと触れたい。金妍児選手はとっても優しい顔をしていた。彼女はひらりひらりというよりも、美しい滑りの中のジャンプ、回転を追求したのではあるまいか。戦い終わって、見せたすがすがしい表情が印象に残る。
二人の好敵手はあくまでも自分の道を貫いたような気がした。
一位はロシアのソトニコワだったが、私は5位に入ったリプニツカヤは恐るべしの感じを持った。最初の団体戦で、例えば、日本もそうだったが、多くの国が、SPとフリーを2人の選手で分担したのに、ロシヤはリプニツカヤが一人で両方に出て、頑張り、その後も個人戦の勝者候補として、ソト二コワのソの字も聴かないくらいメディアはリプニツカヤを俎上にのせた。15歳の少女には荷が重いだろう、可愛そうにと思った。そして、ソトニコワがすり抜けるように優勝をかっさらった。ロシアの作戦だったなんて言うのは穿ちすぎかもしれないが、リプニツカヤはよく耐えて5位に入った。精神力は相当なものだ。
3位のコストナー。心に残る人だった。のびやかにしっとりとした演技、表彰式の時に見せた、ちょっと控えめな奥ゆかしい表情、立ち居振る舞い。ソトニコワにむけた優しいまなざし。顔つきは大いに違うが、大和撫子を見るような思いがした。27歳大人の柔らかさだろう。
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