2019年11月25日月曜日

日本が完勝したって?本当に情けない

GISOMIAの破棄を韓国が停止したとの報道には驚いたが、政府高官が「日本の完勝」であるとか言ったとのこと.これには本当に驚いた。何を寝ぼけたことを言ってるのだとつくづく思う。もし本気で言ってるのであるなら、木を見て森を見ずに近い発言だ。もし日本に利があったとするなら、韓国がアメリカに屈服したことにより、単に漁夫の利を得たに過ぎない。

日米と韓米に夫々同盟関係があるが、本当に対等な関係とは言えない。米国が宗主国でいわば臣従に近い関係と言って良い。今回は韓国が、極東の中国、北朝鮮、ロシアを含むパワーの関係で米国の言い分に屈し、屈服という悲哀を味わってしまった。踏んじゃいけない尻尾をふんじゃったと云う稚拙さが韓国にあったにせよ、日本は、これを対岸の火事と傍観し、奢っていいのだろうか?日米関係だって、力関係から言えば、日本は弱い。他山の石と自戒すべきところだ。

政府高官が「日本の完勝」の発言は、察するに本当のところは、日本人の一部か多くかは知らないが、内在する嫌韓意識をくすぐって、得点を稼ごうっていう魂胆だったのであろう。バカとしか言いようがない。事態はそんなことしてる時なのか?むしろ、願わくば日韓は、夫々の後ろ盾を気取る米国が中ロ北朝鮮がからむ安全保障に関して、日韓の利もちゃんと考えて行動するように、米国が勝手なことを言い出さないように、しっかり強固な関係を持って一寸でも重みを持てるようにしたほうが良いはずではないか。一寸の虫にも五分の魂を発揮し易くなろう。アメリカファーストは何もトランプに始まったことではない。トランプは自分ファーストなのであって、アメリカはもともとアメリカファーストの国だ。自国の利益を害しない限り、日韓関係に深い関心はない。

地理的にも近い2国、嫌韓意識とか、反日気運とか、克服しうる些末なことに拘泥しているのは残念なことだ。ましてや政治家が煽ったり、自分の支持基盤として迎合したりしていてはいかんともしがたい。むしろ政治家のなすべきことは両国の協力関係が如何に重要かそういった人たちを説得して然るべきである。そして、大切なことは隣国どうし仲良くできるような環境つくり、特に教育に力を入れてほしいものである。お互いがお互いをよく知ることが何よりも大切なことだから。

2019年11月1日金曜日

一部の延期を決めたたが、まだ問題点がある

業者による英語のテストの利用を延期して再考すると、文科大臣が述べた。問題点の一つは先送りされることになった。
誤ちを改むるに憚ることなかれ、良い決断だった。しかし、今度の共通試験にはまだ大きな問題がある。延期すると文科大臣が述べた話の中で、「記述式問題の導入など大学入試改革について円滑な実施に向けて万全を期す」と強調した。

今度実施されることになった共通試験の前身は大学センター試験と呼ばれたもので、マークシート方式が採用されていた。記述式の問題はなかった。記述式の問題自体の重要性は認めるが、共通試験では約50万人が受験する。与えられた課題に対して、受験生夫々が考えをまとめて文章を作るわけで、いわゆる正解の文章などあろうはずはなく、採点者は一つ一つ深く読み込んで採点しなければならない。そして50万の解答文に対して採点の一様性を確保することが求められる。どうやって、「万全を期すのか?」、これもまた基準があやふやになってしまいそうである。

記述式の力を試すのは、各大学が二次試験を実施して、その中でその大学の特色に合わせた相応しい問題を出題すればよいのではないか?何も全国共通の試験で記述式の問題を出すという、無茶なことをしなくってもよいはずである。入試問題を作るということは、そして採点をするということは、各大学にとって最も重要で、エネルギーを要することは想像に難くない。大変な事業であろう。とわ言え、各大学がその体をなす力を持つなら、それはしっかりやれる筈である。

今般のような全国共通の入試に対して大きな改革を行うのであれば、いきなり入試の場で実施するのではなく、改革の試みがうまくいくかどうかを、全国学力テストのような、直接入試にかかわらない場で試して深い検討をくわえてから結論を出すべきではないだろうか。
今回改革しようとしていることは決して否定するものではなく、理念は良いものだと思う。しかしそれを制度として実施する前に、中身の深い検討が必要だと思う。制度を「」に譬えると、「仏作って魂入れず」のことが無いように願いたい。

なお文科大臣が「身の丈・・・」発言を撤回したからといって、また今回の業者によるテストを延期する決断をしたからといって、氏の文科大臣としての資質への疑問は消えない。見守るしかないが。